かなしみは

 

 

かなしみは

わたしの底を

ゆるやかにながれている

 

透き通る

こまやかな輝きを放ちながら

 

 

このながれは

どこに続いているのだろう

 

きっとだれも知らない

やさしい表情をして

だれも知らない

すずやかな岸辺をゆくのだろう

 

 

あなたはつらい想いをしすぎた

だからすこし

かみさまが

おやすみをくれたのだろう

 

 

すこし

ゆっくりながれてごらん

だあれも

きみを責めるひとなんかいない

 

泣きたいだけ

泣いていいんだよ

 

そのなみだは

やさしいながれになって

多くのひとを癒すだろう

 

 

なみだが

とまったら

すこし

息をふかくすってみよう

 

がんばる必要なんかない

いまは

じぶんを

そっと

だきしめていよう

 

 

だあれも

わるくなんかなかったんだ

 

ただ

風がかなしかっただけ

 

ただ

風がさみしかっただけ

 

 

だから さあ

かなしみを

そっとやさしく

ほほえんでみよう

 

それができたら

すこし

このまま

このながれに

身を任せていよう

 

 

あなたは

すべてのものに

許されている

 

 

すべてのものに

やわらかく包まれている

 

 

すべてのものに

ゆるやかに

解き放たれている